私は考古学の専門家では全くないのですが、はたから見ているとえらく難儀なことをしているなと考古学ほど思うものはありません。
特に分からないことが結局分からないままになりがちなのが、大変そうに思えます。
石器一つとっても本当に加工されたものなのかなど、今一判然としなかったりするそうです。
経験である程度分かるようになるとは聞きますが、素人目には最早全て道端の石ころに見えます。
また、今の感覚ではこう見えるけど果たして本当にそうか分からないことも多々起きるのです。
一応は鏡として分類したけど、小さいし見た目だけの装飾品としてしか見ていなかったかもなどと考え始めるときりがありません。
あるいは、そもそも遺跡の発掘だってままならないことも多いのです。
やはり、様々な事情の下で発掘調査は行われるので好きなようには掘れません。
圃場整備や建設工事、こうしたもののついでに行われることが発掘調査では多くなります。
なので、調査がそれらに合わせて決まるので全容解明が出来なかったりするのです。
例えば吉野ケ里遺跡は日本で最大規模とされていますが、これは上手くこの規模で発掘できた上に公園として残すこともできたからという事情もあります。
つまり、他に同程度の規模かもしれない遺跡もありますが全てを掘ることが出来ていないのです。
さらに、痕跡が無かったからといって無いとは限らないという問題があります。
時の流れの中で様々な影響を受け遺物達は消え去ってしまうので、むしろ現在まで残っている方が奇跡的なのです。
そのため、元から無かったから無いのか、失われたから無いのかの判断が容易にはつきません。
この様に考古学ってままならないことが多いなと、触れる機会を得る度に思ってしまいます。
ただ、それだけお世話になることが多いので本当にありがたい学問だなとも思うのです。
それに、素人の意見ですが手がかりが少ない分より想像できる余地も広く、謎も多いだけにそれはそれで面白そうです。
もちろん、想像に頼り過ぎてはいけないのでしょうが程よく楽しませていただいてます。