湖国探遊記

滋賀の歴史や文化を中心に、たまにそれ以外も

光画と手控え

石山寺を守護する鬼

眼光鋭くじっと睨む石像の鬼、これは石山寺にて今も称えられる朗燈律師が死後に変じたとされる鬼の姿を刻んだものです。 この方は生前に聖教や経典の収集や整備に尽力した上、死後もそれらを守るために鬼へと変じたとされます。 鬼というとよく退治される悪…

延暦寺の参道

冬の比叡山はまず観光地では無いな、そう思ったことを今も覚えています。 観光客が少ないというだけでなく、やはり凄く寒くて凄く凍っているのです。 これでも温暖化で暖かくなったとか噂を聞くので、かつてはいか程だったのだろうかと思います。 それでも冷…

大津絵の名残

大津絵は、詳しく説明しようとするとややこしくドツボにはまる絵画の一種です。 例えばその歴史は、まず仏画に始まり、より世俗的な画題で土産物として発展するも後に衰退し、大正頃から民芸品などとして文化人に再評価され、今は伝統工芸と数奇な運命を辿っ…

太郎坊宮の夫婦岩

巨石信仰というのは、日本の信仰文化における重要な特徴の1つです。 滋賀にも信仰を集める巨石が沢山あり、太郎坊宮の夫婦岩は中でも指折りだと思います。 悪い心の持ち主が通ると挟まれるとの言い伝えもある様に、分かたれた岩は何れも非常に大きく、その隙…

瀬田川の鴨たち

琵琶湖と瀬田川の境目は何処なのだろうか、ふとした時に考えてしまいます。 おそらくこの辺ではと思う所を散歩していると、夕暮れの光で良い感じになった鴨たちがいたので思わず撮ってみました。 琵琶湖にはこの様な水鳥がそこかしこにいて、ぽてぽて歩く姿…

岩間寺のお池

白の中の金色はいつもより映えるようで、仏様の所にだけ温かみがあります。 そんな仏様の見つめる先にあるのが、凍える芭蕉の池です。 これは松尾芭蕉が、この池でかの有名な「古池や 蛙飛び込む 池の音」を詠んだと伝わることに由来します。 芭蕉がここまで…

三井寺の桜

時代劇などにもよく使われるこの場所は、三井寺でも特に重要な場所への入り口にあたります。 つまり、三井寺、正式には園城寺を天台別院とし再興させ今に続く形の礎を成した智証大師円珍をお祀りする聖域なのです。 そう思って改めて見ると、確かに別格の扱…

旧竹林院の四阿

坂本の街並みは古く落ち着いていますが、旧竹林院のお庭はもう一段程静かに感じます。 やはり元は里坊だけに、そういう雰囲気が好まれたのかもしれません。 この四阿も、ポツンとした佇まいがその雰囲気によく合っています。 客人を出迎える必要が無いのなら…

彦根城と紅葉

彦根城は、まさに創意工夫のお城だと思います。 築城当時は豊臣方もまだ力を持っており、その最前線の抑えとしてなるべく急いで築城する必要がありました。 ただ、守りの固さや権威を見せつける佇まいも当然求められます。 天守はそうした難題に見事に応えた…

西教寺の念仏小僧

西教寺のこの小僧さんは、一息入れているのか妙にくたびれた様子です。 もしかすると、念仏小僧と呼ばれていても流石に子供ですので昼過ぎにはまどろんでしまうのかもしれません。 お寺に響く念仏につられて自分も唱えてしまうだけだとえら過ぎるので、これ…

豊郷小学校旧校舎群の廊下

ここに何の縁も所縁もないはずなのに、何故か懐かしい気持ちになる場所です。 校舎の雰囲気がそうさせるのか、夕方へと差し掛かる時間帯がそうさせるのか、あるいはまとめて全部かもしれません。 例えば木の床に真っ直ぐのびた廊下、壁は白いですが無機質で…

建部大社の三本杉

神紋にも描かれている建部大社の三本杉には、よく分からないことがあります。 この木はまとめて一本なのでしょうか、それとも別々の木なのでしょうか? そんなどうでもいいことを気にしてしまう人でも、この立派な神木は社殿の前に立ちいつも迎えてくれます…

満月寺の浮御堂

お寺よりもそれを構成する建物の方が有名で、お寺ではなくその建物の名前の方が通りが良い事がままあります。 ここ満月寺の浮御堂もそうで、近江八景「堅田の落雁」だと浮御堂が主役になる所為でしょう。 そんな湖に浮かぶ姿も良いのですが、浮御堂から眺め…

近江八幡市の八幡堀

時代劇で様々な場所を演じてきた八幡堀は、最早ベテランロケ地と言えるでしょう。 実際、良い具合の瞬間を狙えば江戸時代かの様な光景を今も捉えることが出来ます。 ただ、水路で様々な物資をやり取りしていた近江商人たちの活気は流石に再現できませんでし…

金剛輪寺の千体地蔵

本堂までちょっとした山道を行く金剛輪寺の参道には、本当に沢山のお地蔵様が祀られています。 一体一体それぞれによだれ掛けと風車が供えられ、やはり地域の方々に大切されているでしょう。 初夏に行くと、木漏れ日の薄暗い中で時折風車が回る落ち着いた雰…

唐橋の夕景

石山寺に行く際には、必ずと言っていい程よく通る橋。 古くからも交通の要衝で、それだけに大きな戦の舞台にも何度もなりました。 一方で近江八景の1つ「瀬田の夕照」に挙げられる通り、近江を代表する名所としても有名です。 今は、やはり帰り道にもよく見…

石山寺の硅灰石

急な階段をえっちらほっちら上がると、大きなとても大きな岩がひしめき合い生える開けた場所に出ます。 なるほど、これは石山だなと思える光景です。 周りを歩くと他にも岩が露出している所があるので、ここら一帯が岩の塊なのかもしれません。 なぜ古から石…