湖国探遊記

滋賀の歴史や文化を中心に、たまにそれ以外も

琵琶湖が水源となるかは高低差が鍵になるという忘れがちな当たり前の原理

滋賀県だと琵琶湖は水源として使い難かったりする、そんなまさかの話があります。

 

私も滋賀に長年住んできたのですが、この事実につい最近知り多変驚いたものです。

なまじ小さな頃から琵琶湖は近畿の水がめ、水がめと何度も聞いてきただけに全く想像したことがありませんでした。

 

しかし、考えてみれば非常に当たり前の話になります。

なぜなら、水は高い所から低い所にしか流れないからです。

 

実に当たり前すぎますが、水利問題を考える時には忘れずに考えておかなければいけません。

つまり、水を逆に高い所に引こうとするなら何らかの知恵と労力が求められます。

 

そして、滋賀県全体では琵琶湖の位置が概ね一番低いのです。

実際、琵琶湖から流れ出る川は瀬田川しかなく、それ以外は逆に注ぎ込む川になります。

なので、琵琶湖の水を利用するのは滋賀県では結構工夫する必要があるらしいのです。

 

ただ、ここの辺りの土木技術関連は全くの門外漢なので分かりません。

それでも滋賀の水利の歴史を紐解くには必要な知識なので、いずれ触りだけでも頑張りたいです。

さらに、こうした理由からか歴史的に滋賀県の水利問題では川や用水路の方が取り沙汰されている印象があります。

 

ちなみに、この当たり前の事実は逆に近畿の水がめになる理由を説明する時にも使われるのです。

 

例えば、琵琶湖の水面と大阪城天守閣の高さはほぼ同じという面白い話があります。

情報源により多少の誤差はありますが、大阪側が高くても2m程度の差なので概ね同じくらいとは言える範囲でしょう。

要するに、肝心なことは琵琶湖が大阪側から見るとやや高い位置にあることです。

 

この高低差がある故に、瀬田川から始まり名前を変えつつ淀川となり大阪湾まで水が流れることが出来ます。

なので、余り体感しづらいことですが非常に重要な地形の妙なのです。

 

やはり、水は高い所から低い所へと流れること程、当たり前すぎて逆に見過ごしている基本原理はないように思えます。