湖国探遊記

滋賀の歴史や文化を中心に、たまにそれ以外も

太郎坊宮の夫婦岩

巨岩の裂け目

巨石信仰というのは、日本の信仰文化における重要な特徴の1つです。

滋賀にも信仰を集める巨石が沢山あり、太郎坊宮の夫婦岩は中でも指折りだと思います。

悪い心の持ち主が通ると挟まれるとの言い伝えもある様に、分かたれた岩は何れも非常に大きく、その隙間は圧を感じる程狭く伝説が生まれるのも納得です。

そして、その隙間を通ると本殿があり開けているので辺りを一望することが出来ます。

この緩急の付け方も、やはり太郎坊の面白い所です。

(撮影日時2019年11月24日)

瀬田川の鴨たち

日暮れの鴨たち

琵琶湖と瀬田川の境目は何処なのだろうか、ふとした時に考えてしまいます。

おそらくこの辺ではと思う所を散歩していると、夕暮れの光で良い感じになった鴨たちがいたので思わず撮ってみました。

琵琶湖にはこの様な水鳥がそこかしこにいて、ぽてぽて歩く姿は実にかわいいです。

また、たまに犬神家みたく水面に突き刺さっていることもあります。

あれは潜り損ねたのか、頭だけを水に入れているだけなのか、よく分からないのですがとりあえずかわいいです。

そんなかわいらしい方たちがすぐ側にいる、これもまた琵琶湖の魅力だなとしみじみします。

(撮影日時2021年1月30日)

岩間寺のお池

冬の庭に仏の輝き

白の中の金色はいつもより映えるようで、仏様の所にだけ温かみがあります。

そんな仏様の見つめる先にあるのが、凍える芭蕉の池です。

これは松尾芭蕉が、この池でかの有名な「古池や 蛙飛び込む 池の音」を詠んだと伝わることに由来します。

芭蕉がここまで来たかは分かりませんが、改めて考えるとこの寺は面白い位置にあるのです。

つまり、大津と宇治の境目辺りでどちらから見ても奥の奥という感じがします。

ただ、瀬田川という大動脈が近くを通っているので昔は違う印象だったかもしれません。

今は様々なことが変わり過ぎて中々に想像しがたいですが、実に興味をそそられます。

(撮影日時2018年1月14日)

三井寺の桜

桜と石灯篭の道

時代劇などにもよく使われるこの場所は、三井寺でも特に重要な場所への入り口にあたります。

つまり、三井寺、正式には園城寺を天台別院とし再興させ今に続く形の礎を成した智証大師円珍をお祀りする聖域なのです。

そう思って改めて見ると、確かに別格の扱いをされている様に思えます。

特に、橋を渡らないと入れないので独立した空間に感じられるからかもしれません。

それに、記憶が正しければ三井寺でその様にしてあるのは確かここだけなのです。

(撮影日時2020年4月3日)

旧竹林院の四阿

旧竹林院の四阿

坂本の街並みは古く落ち着いていますが、旧竹林院のお庭はもう一段程静かに感じます。

やはり元は里坊だけに、そういう雰囲気が好まれたのかもしれません。

この四阿も、ポツンとした佇まいがその雰囲気によく合っています。

客人を出迎える必要が無いのなら、より開放的なこっちの方がのんびり過ごせそうです。

それに人がおらず本当に静かであれば、すぐ近くを流れる小さな滝の音も良い具合に聞こえるかもしれません。

ただ、そればっかりだとメリハリが無く不味いことになりそうです。

なので、茶室の様に人との交流が出来る施設もしっかりと用意したのかなと想像してしまいます。

(撮影日時2020年11月18日)