滋賀の文化財は確かに魅力的ですが、やはりそこまで知られているとは思えません。
一部の界隈では評価が高いけれども、それ以外ではあまり評判を聞かなくなるという極端な状態にあります。
この様になってしまう理由として良く上げられるのが、発信力のなさです。
確かに高い実力はあるはずなので、やはり一番の原因はまずこれに思えます。
例え前に書いた通りその魅力がやや分かりづらいものでも、ここがしっかりしていればやりようはあるでしょう。
そして、その最も基礎的な理由では拠点と人材の問題が思いつきます。
まず、文化財の拠点では博物館が根本的な基盤になるでしょう。
収集したり、保存したり、調査したり、展覧会をしたり、教育活動をしたりと様々な活動を行っています。
やはり文化財の魅力の発信は、何よりここから始まるのです。
しかし、滋賀では手狭であったり、機能不全に陥っていたりするのが課題でしょう。
特に沢山の文化財を有しながら休館中の琵琶湖文化館は、非常にもったいないです。
地域の施設などと連携し、それでも工夫して活動を行っているのは凄いと思います。
ただ、自前の活動拠点が機能していないのは流石に問題です。
また、滋賀の博物館は全体的に手狭に思える所が多いのも課題に感じます。
観覧者の視点で言うと、魅力的なものを沢山有してはいるもののそれを全て発揮できていない様な印象を受けることがあるのです。
ただ、この手狭さを解消するには費用や土地などの問題があるので解決は困難でしょう。
なので、講座や現地見学会などの催し物で物足りなさを補うといった創意工夫での解決を模索する必要があります。
幸い滋賀は様々な場所に文化財があるので、これを活用しない手はありません。
次に問題なのが人材なのですが、滋賀でも地域の文化を担う人が減っているのです。
特に滋賀に多くある個性的な祭りを維持していくことは、とても大変そうだといつも感じます。
また、こうした人達こそ地域が有する文化財の魅力を実感をもって知っているのです。
なので、魅力を発信する上でも非常に重要な存在なのは間違いありません。
まず少子高齢化や一極集中による影響なのですが、滋賀でも人が一応は増えている地域が有るにはあるのです。
ただ、それはベッドタウンとして開発された地域が主であり、新たに外から入ってきた人が多くを占めています。
なので、そうした人達がすぐに伝統的な文化の担い手になれる訳ではないのです。
かく言う私もそちら側なので、それらと繋がる手立ての少なさや難しさをよく感じます。
つまり、単に人が増えれば問題が解決するものではないのです。
ここが、この問題の非常に厄介な所でしょう。
この様に、滋賀の文化財は根本的な所に問題を抱えているのです。
何だか発信力の問題を中心に考えてみようかと思ったのですが、広げ過ぎてしまいました。